
ダンエレクトロはミニシリーズにおける歪みペダルについては、肉を食材とした料理に由来する名前をつけてきた。しかしながらここに紹介するペダルについてはこの限りではなく、「Black Coffee」とネーミングされた。
このペダルはメタルディストーションで筐体も黒い。こうした黒い筐体のメタルディストーションといえば、やはりBOSSのHm-2「Heavy Metal」が最初のものとなるだろうが、メタルと言えば黒というイメージが強いため、さすがのダンエレクトロといえども、そのイメージの呪縛に抗しきれなかったということだろう。であるならば黒い肉ではダメだったのだろうか。黒い肉というと、焼いたというよりは燃え焦げて炭のようになった肉であり、それはもはや料理もなければ食べ物でもないだろう。さすがのダンエレクトロといえどもこうしたネーミングを採用するわけにはいかない。

黒くてもよいものであればブラック・コーヒーあたりは無難なところであろう。しかしブラックコーヒーは苦味であり、それがメタルのイメージには結びつかないところがある。むしろブルースに近いのではないかとも思う。
そしてこのペダルにはLEVEL、BASS、TREBLEの3つのノブがあるのだが、それらの設定によっては意外にもBBキングのようなサウンドを出すことができるのである。このペダルはメタルディストーションとしては中途半端で、ブルージーなディストーションとして、というように、むしろ本来とは違った使われ方で評価されているペダルなのである。
例えば、以下の動画。
Blues Jam 08 + Danelectro Black Coffee Metal Distortion