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Channel: Danelectro研究(「だのじゃん」改めDano研)
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動画で楽しむDano(128)

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The Bots - "5:17"


もう一つ、最近見つけたベースレス・デュオはThe Bots。ギターとヴォーカルがミカイア、ドラムスがアナイアの二人兄弟なのである。彼らは幼い頃から演奏活動を始め、ローティーンの頃にはいろいろなメディアに取り上げられ、そこそこ知られた存在になっていたようだ。現在は兄が20歳くらいだが、二人ともまだまだ若い。

やはり、ホワイト・ストライプやブラック・キーズの影響なのだろうか、ミカイアが使用するギターはシルヴァートーンやスプロ、ハーモニーが多い。この映像ではシルヴァートーンの1304を弾いている。

社屋の写真

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Doug TullochのFacebookページ「DANELECTRO GURU」に、おそらくはダンエレクトロの社屋と思われる写真がアップロードされている。入口のところに駐まっているバンは車種がわからないのが残念だが、ドアのところにダンエレクトロのロゴが確認できる。

ダンギターズのサイトにアップされている社屋設計時のパースと比較してみても、建物の全体的な構造や入口のところの植え込みなどが一致しているので、まず間違いないだろう。



このような写真を眺めていると、いつしか想像は時空を超えて、ネイサン・ダニエルの息吹きのようなものさえ感じられ、何やら気分が高揚してくるのだが、それと同時に今は失われてしまった夢の跡であるこの写真に、いいようのないせつなさも感じてしまう。

Jerry Jones Master Electric Sitar

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今回入手したのはジェリー・ジョーンズのマスター・エレクトリック・シタールである。
もちろん、だのじゃん的にはCoralのオリジナルを狙うのが筋だろうし、昨年、ダンエレクトロがごくごく少数ながらエレクトリック・シタールをリイシューしたときも、そういうわけだからスルーしたのだったが、円安の昨今、あまりに狙いすぎたせいか、気がつけば相場も高止まり、このままCoralにこだわることはもはや現実的ではなかろうというところまで来てしまった。

そんなこんなで、オリジナルにこだわることをやめた私はジェリー・ジョーンズを入手することにしたわけだ。

ジェリー・ジョーンズはダンエレクトロのコピーモデルをつくり続けてきたが、2011年に引退し、ナッシュヴィルにあった工場を閉鎖した。そもそもジェリーさんはミシシッピ州のジャクソンに生まれ、1980年代の初めからナッシュヴィルでギターの製作と販売を始めた。当初は自身のデザインしたカスタムギターを販売していたのだが、とある客がひどい状態のシルヴァートーンを修理のためにと持ち込んできてから方向が大きく変わっていった。

ジェリーさんはもともとダンエレクトロのギターには関心を持っていたそうだが、リペアのために持ち込まれたシルヴァートーンを見て、自分がつくりたいのはこういうギターなんだと改めて思ったらしい。そして1984年にプロトタイプの製作を始めたのだが、実はこれは未完のままになっており、ピックアップのテスト用に使用されていたとのこと。しばらくして、他のお客からロングホーンタイプの6弦ベースの注文を受けたことをきっかけに、全面的にダンエレクトロのコピーモデルをつくるようになったそうだ。ジェリーさんのつくるギターはオリジナルと同様にトップとバックにはメゾナイトを使用しながらも、ネックはメイプル、調整可能なトラスロッドを入れ、ブリッジも1弦ずつ調整できるものにするなど、現代的な仕様になっている。

ジェリーさんはハワイで晩年のネイサン・ダニエルに会ったことがある。二人してじっくりとダンエレクトロのあらゆるギターのこと、使用されたあらゆる材のことなど話をしたそうだ。しかし、それでもダンエレクトロの独特なボディシェイプの起源についてははっきりとわからないらしい。実はだのじゃん的にもそこのところは長年の課題で、一番知りたいところなのであるが、それが明らかになるにはまだまだ探求が足りないようである。

ジェリーさんは言う(注:ジャック・ウェルチのエピソードに例えたのだろうか)「もしそのデザインが1950年代のあるディナーの席で、ナプキンの上に書き留められていたとすれば、その時代に戻って、そのナプキンを手に入れたい!」

ジェリーさんのダンエレクトロ愛が伝わる一言であることよ。

Vox Phantom ネックのすげ替え

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Vox Phantomの12弦用のネックを手に入れたので、ようやくPhantom Stereoのネックをすげ替えることができた。やはり、Voxのロゴが残ったままの、塗装されていないオリジナルネックはいいものである。

Phantom Stereoについては以前記事にした。2009年の記事なので、これを入手してから今回のネックすげ替えまで5年もかかったことになる。毎日血眼になって探し回っていたというわけではないから、この程度の年数がかかるのは仕方がないというわけで、いずれにしてもほっと一安心といったところ。

動画で楽しむDano(129)

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Stranglers Duchess 1979 Top of The Pops August 30th 1979


ストラングラーズ1979年の映像。ヒュー・コーンウェルがSilvertoneの1457を弾いているとは驚いた。

ベイビー・シタールのリイシュー

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ダンエレクトロの日本代理店であるキクタニミュージック株式会社によれば、ダンエレクトロのエレクトリック・シタール、通称「ベイビー・シタール」と呼ばれるモデルがリイシューされたということである。

そもそもベイビー・シタールとはどんなものかといえば、そのオリジナルモデルは1968年から1969年までの間、つまりダンエレクトロが終焉を迎える末期に生産されたもので、60年代後半に一世を風靡したエレクトリック・シタールの第2弾であり、本物のシタールの共鳴胴に似せた丸っこいボディシェイプが特徴のもの。

私の記憶が確かであれば、前回ダンエレクトロからコーラルのエレクトリック・シタールがリイシューされたのは2012年の10月のことであった。これは全くといって突然のことであり衝撃的な事件であったが、今回の「ベイビー・シタール」のリイシューもそれに劣らず衝撃的であるといえるだろう。いずれにせよ、今回もまたごく少数の入荷ということなので、市場に現れた途端に一瞬で完売し、あとかたもなく消えてしまう「幻のリイシュー」となりそう。

今回のベイビー・シタールのリイシューは本家ダンエレクトロのあずかり知らぬところで動いていると推測される。ギターのリイシューに関してコンサルタント的な役割を担ったスティーヴ・ソーストは以前あるインタビューで、エレクトリック・シタールをリイシューするかと尋ねられたとき、コスト的な問題からそれはないだろうと答え、エレクトリック・シタールの音が欲しければダンエレクトロのギターのブリッジをゴトー製のシタール用ブリッジにリプレイスすればいいだけのことと言っていたのである。

思い出してみれば、昔からダンエレクトロには本家と関係なく勝手に製品が出回るところがあって、本家のカタログにはない仕様やモデルが存在し、謎が謎を呼んでいた。最近でもアリゲーターフィニッシュではない‘67 HEAVENが日本限定で発売されたし、ダブルネックのリイシューもあったが、これらはアメリカでは発売されなかったモデルである。直近で謎の仕様といえば、ショートホーンの12弦モデルにfホール(ダミー)のついたものがどうやら出回っているようなのであるが、これは逆にアメリカだけで他の国で販売されてはいないようである。このギターのタバコサンバーストは今回のベイビー・シタールと風合いが似た感じになっていることから、同じ工場で生産されたものだと考えられるが、詳細は今のところ不明である。

現在ダンエレクトロのギターをつくっているのは韓国のイタリアギターズである。このブランドではビザール的なデザインのギターを様々つくりだしているが、その中にはコーラルのエレクトリック・シタールをデフォルメしたModenaというモデルもある。そういうところであれば、その気になりさえすれば余剰パーツを使い回してダンエレクトロのエレクトリック・シタールをリイシューしたり、謎仕様を気まぐれに生み出したりするのはそれほど難しい仕事ではないわけだ。

さて、今回のリイシューとオリジナルモデルを比較してみると、やはり細かい部分に違いがある。一番大きな違いといえば、座って弾くときに足に乗せる金属のレッグ・レストがリイシューにはついていないということだ。その次に目立つ違いはブリッジとピックアップの間の距離で、オリジナルはブリッジのすぐ前にピックアップがあるが、リイシューは少し離れた位置になっている。さらにオリジナルにはピックアップの周囲に金属のエスカッション的なものがあるのだが、リイシューにはない。加えてテールピースの形状とストラップピンの位置が違う。

ベイビー・シタールは何回か落札し損ねたという因縁もあって、いつかは手に入れてやろうとひそかに狙ってはいたのだったが、もともとの製造本数が少なかったせいか、ここ数年はebayでも見かけることがなくなっていた。わりとよく見かけるコーラルの方はといえば、こちらは相場が高止まりといった状況にある。こうした事情があって、私としては、エレクトリック・シタールの入手に関してオリジナルにこだわるのを諦めるほかなくなってしまったのである。そんなわけで先日ジェリー・ジョーンズのコピーモデルを手に入れたところなのであるが、このタイミングでのベイビー・シタール、それがリイシューであろうと何であろうと、ここで会ったが百年目、きっちり手に入れることにしたい。

Baby Sitar

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というわけで、リイシューされたベイビー・シタールを品切れにならないうちにさっそく入手した。

このベイビー・シタールはヒョウタン型のヘッドストックを持ち、ネックは21フレットである。コーラルのエレクトリック・シタールのような共鳴弦はなく、通常のギターと同じ6弦で、リップスティック・ピックアップが1個、例によってボディの裏からネジ止めされている。コントロール・ノブはVolとToneが1個ずつ、オリエンタルな唐草模様をあしらったピックガードにマウントされている。ボディ側面には壁紙のようなサイドテープが貼られているが、実はオリジナルの方にはこうしたテープは貼られていなかったりする。これもレッグ・レストがついていないことと同様、オリジナルと今回のリイシューとの大きな違いである。とはいえ今回のリイシューは総合的には素晴らしいできばえだと思う。

エレクトリック・シタールといえば、最大の問題はオクターヴ・ピッチとシタールマティック・ブリッジの調整であろう。ピッチはブリッジの構造上、そのままでは合わせられないので、ナットやネックを調整しなければならない。ブリッジは3つのネジで調節できるが、6弦から1弦まで、ローポジからハイポジまでまんべんなくいい感じのシタールサウンドにするには意外に難しい。時間をかけてネジを少しずつ回しながら試行錯誤を繰り返すほかない。このへん、音程感があやふやなのがシタールの持ち味だと割り切るのが精神衛生上よいのではないかと思われる。

アンプ大名鑑(フェンダー編)

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ギターアンプというと、日本では住宅事情のせいで「置き場所がない」とか「大きな音が出せない」とか、ついそういった話になりがちだし、VOXのAmplugみたいなヘッドフォン・アンプが進化しているということもあって、今となっては「無用の長物」的な扱いを受けたりもするが、こうした事情はどこかに置いて、せめて本の中だけでも、心ゆくまでレオ・フェンダーが残したギターアンプの素晴らしさを堪能したいもの。

この本はトム・ウィーラーが著した「The Soul of Tone : Celebrating 60 years of Fender Amps」の邦訳で、スペースシャワーブックスが限定2000部で出したもの。「アンプ大名鑑(フェンダー編)」という邦題になったのは、少し前に出した「フェンダー大名鑑」にあわせたのだろう。両者とも網羅的な内容なので、それはそれで「大名鑑」と呼ぶにふさわしいものではあるが、姉妹編とすることでクロスセルを狙った販売戦略という面もあるわけ。

それはともかくとして、ギターアンプの本を構成する要素には、一般的にいって1.回路図、2.スペック、3.ヴィジュアルなどがあり、これらの諸要素のうちどれを重視するかによって、その本が自作マニア向けなのか、フルオリ志向のコレクター向けなのか、あるいはギターアンプの機能美を鑑賞するのが趣味の好事家向けなのかが決まってくる。

それでは「アンプ大名鑑」はどこをターゲットとしているかというと、先述の3要素でいえば、回路図は掲載されていないので自作マニア向けの本でないことは明らかである。その意味ではコレクターや好事家向けではあるのだが、ソリッドステートよりもチューブ、プリント基板よりもP to P配線、現行品よりもヴィンテージがよいと思っていたり、あるいは全体を見ないでコンデンサのようなパーツにだけ異常なこだわりを見せたりするようなコレクターに対しては批判的である。

実のところこの本はフェンダーの60年におよぶアンプ開発史に加え、そのアンプから放たれた音にどれだけの人が魅了されてきたかを物語るものであり、それらを開発に携わった人々の証言やフェンダーのアンプを愛用しているミュージシャンたちのコメントを数多く集めることによって語らせたところに最大の特徴があると言えるだろう。そのぶん分厚くなっているが、興味深い話が多いので楽しく読むことができる。

動画で楽しむDano(130)

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Dave Navarro - Rexall [MV]


デイヴ・ナヴァロは見るからに変態といった感じで、レッド・ホット・チリ・ペッパーズを脱退したのも、そのあまりの変態ぶりに他のメンバーがウンザリして追い出したということなのだろうと私は長い間そう思っていたのだったが、実際はその逆で、ついていけなかったのはむしろナヴァロさんのほうだったというのだから、フリーとアンソニー恐るべし、である。

この映像の中でナヴァロさんが使用しているのはオリジナルの3021だろうと思われる。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ時代にも、例えば「Warped」のPVでシルヴァートーンを使っていたこともあったので、ダンエレクトロのようなギターも好きなのだろう。

必要は発明の母

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ポップ・ミュージックに初めてシタールが使われたのは1965年、ビートルズの「ノーウェジアン・ウッド」だといわれている。彼らが主演した2作目の映画である「ヘルプ!」にはインド料理店のシーンがあるのだが、そこで演奏されていたシタールにジョージが興味を持ったことがそもそものきっかけだった。

このシタールの導入について、完成された楽曲として公表したのは確かにビートルズが最初なのだが、それよりも先にレコーディングで使用したのはヤードバーズだったという話もある。さすがにそこはイギリス、映画に出てきたようなインド料理店も数多く存在し、シタールを演奏できるインド人など実はそれほど珍しいというわけでもなく、ラジオではインド音楽を放送する番組も制作されていた。こうしたなか、シタールを導入してみたら面白そうだと考えたミュージシャンも当時少なからずいたということなのだろう。

ともあれ、ビートルズがシタールを導入したことの影響は大きく、ローリング・ストーンズやキンクスなど他のグループも次々とシタールサウンドを取り入れるようになり、それらはやがて「ラーガ・ロック」と呼ばれる大きな潮流となっていった。さらにモンタレー・ポップ・フェスティヴァルやウッドストックにおけるラヴィ・シャンカルのシタール演奏が当時のロックミュージシャンやロックファンに与えたインパクトは計り知れない。このようにシタールサウンドが広く受け入れられた背景には1950年代のビート・ジェネレーションと呼ばれた人たちの存在があったと思われる。彼らは西洋の物質文明を否定し、老荘思想や仏教などの東洋的な思想や自然観に共感したが、こうした彼らの存在は1960年代後半のヒッピームーヴメントの先駆けであり、当時の若い世代が東洋的なものを受容するための意識の変化を準備したと言えるだろう。

この1960年代に多忙なセッション・ミュージシャンとしてあっちこっち飛び回っていたヴィンセント・ベルは、「ラーガ・ロック」流行のさなかにあってシタールを演奏する仕事も増えてきたのだったが、彼にとってシタールはとても面倒な楽器だった。チューニングも面倒、壊れやすい、場所を取るので保管に困るといったことだけでなく、直接床に座って弾かなければならないのがつらかったようだ。

「必要は発明の母」というわけで、そこで文句ばかり言っているだけでなく、なんとか問題を解決するべく工夫をこらすのがヴィンセント・ベルの面白いところ。彼はギターと同じチューニングで、ギターと同じように演奏しながらもシタールの音を出すことができて、ホーンなど他の楽器に負けないよう電気的に増幅できるものをということで、1961年のベルズーキ以来関わりのあるダンエレクトロとともにエレクトリック・シタールを開発してしまったのであった。このような、ギター自体に手を加えて音を変えるというのは当時の発想で、今ならモデリングやシミュレーターのような感じでソフト的にやってしまうところだろうけどね。

Epiphone Century

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エピフォンのアンプが届いた。注文したのは6月だったが、今頃になって納品されたのは例によって日本での発売が延期となったからだ。こうしたことはよくあることなので気にもしていなかったら何度か楽器店から意思確認の電話が来ていたらしく、変わらず購入意欲が漲っていることを慌ててメールで伝えた次第。

このアンプはエピフォンが1930年代に製作したもので、1932年にリッケンバッカーが生み出した史上初のエレクトリック・ラップスティールである「フライング・パン」に対抗してエピフォンが開発した「エレクター・シリーズ」の一環だ。12インチのスピーカーを搭載し、プッシュ/プルの回路が採用されたアンプで、そのキャビネットは同年代のいわゆるカテドラル型ラジオのようでもあり、金属製のバーハンドルやアルファベットの「E」をモチーフとしたグリル部の装飾など、当時流行していたアール・デコ調のデザインを特徴としている。とりわけグリル部を斜行する電光や稲妻を連想させるジグザグ文様はスピードと躍動感を表す、アール・デコの象徴的なモチーフなのだ。蛇足ながら初期のフェンダーロゴにも稲妻が走っていたことを付け加えておく。

私がなぜこのアンプを手に入れたかったのかといえば、以前記事にしたように、ダンエレクトロの創業者ネイサン・ダニエルが若い頃に製作したアンプだからで、メーカーこそダンエレクトロではないながらも「だのじゃん」的に重要な意味を持つアンプだからなのだが、75周年記念とはいえ、このタイミングでのリイシューは、昨今のギター業界のレトロスペクティヴな傾向がアンプにも及んで、マグナトーンやスプロといった往年のアンプがリイシューされているここ数年の状況を踏まえてのことと見ることができるだろう。

往年のアンプをリイシューといっても、当時の部品は今では入手できなくなっていたり、あるいは法的に使用できなくなっていたりするのでまったく同じようにつくるというわけにはいかない。エピフォンのリイシューも同様で、外観こそオリジナルに忠実だが中身は現代的な仕様になっている。真空管はプリ管に12AX7、パワー管に6V6が使われ、ヴォリュームノブを引っ張るとブーストされるとか、BRIGHT、NORMAL、DARKの3種類のインプットジャックがついているとか、当時とは違う機能が組み込まれている。サイズは高さが38㎝、幅が34.5㎝、奥行きが11.1㎝となっている。

動画で楽しむDano(131)

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Surfin USA - An American Family The Beach Boys Story


「Beach Boys:An American Family」は2000年にアメリカのABCテレビで放映されたドラマで、文字通りビーチ・ボーイズの物語であるが、チャールズ・マンソンとの関係を取り扱っていることもあって、ブライアン・ウィルソンはこのドラマを好きではないと言ったそうだ。

この映像ではカール役の俳優が3021を、アル役の俳優が1457を使っているが、ビーチ・ボーイズがライブでダンエレクトロのギターを使ったことはなかったと思う。

動画で楽しむDano(132)

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The Barr Brothers - Lord I Just Can't Keep From Cryin'


バール・ブラザーズはブラッドとアンドリューの兄弟を中心とした4人組。ボストン出身ながら今はモントリオールで活動しているそうだ。ブルースやフォークを基調としながら、そこに様々な音楽的要素が渾然一体となっている。メンバーのたたずまいや映像もいい感じ。

ギターとヴォーカルのブラッドがダンエレクトロのコンヴァーチブルを弾いている。ちなみにアンプもシルヴァートーンの1432を使用している。

ジミー・ペイジの功罪

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このブログの「動画で楽しむDano」では130人ほどのダンエレクトロ・プレイヤーを紹介しているが、多くの人々にとってダンエレクトロといえばいまだにジミー・ペイジなのである。それは彼が世界的に有名なギタリストであるからだが、ダンエレクトロの演奏法について極めて理にかなったやり方を発見したからに他ならない。

ジミー・ペイジがダンエレクトロを手にしたのは、シド・バレットが使っているのを見たことがきっかけだったとのこと。いくつかのインタビューで、シド・バレットについては「素晴らしいひらめきに満ちた天才」と発言しているし、いずれにせよジミー・ペイジがシド・バレットから大きな衝撃を受けたことは確かで、ヤードバーズ時代に丸いミラーをテレキャスターに貼っていたのもシド・バレットを真似してのことであっただろうし、シド・バレットが使っていたダンエレクトロは前衛的で実験的なサウンドを生み出す魔法の杖のようなものに見えたのかもしれない。



ジミー・ペイジがダンエレクトロを使い始めたのはいつの頃からかといえば、すでにセッション・ギタリスト時代にそれを演奏している写真が残っている。ヤードバーズ時代ではジェフ・ベックが脱退した後、「ホワイト・サマー」をステージで演奏するためにダンエレクトロを使用した。この曲はいわゆるDADGADチューニングで演奏される曲で、ジミー・ペイジがフォーク・クラブに足繁く通っていた時期にアン・ブリッグスやバート・ヤンシュの影響を受けて出てきたものである。スタジオ盤ではアコースティック・ギターで演奏されているが、ステージではダンエレクトロが使用された。「ホワイト・サマー」はレッド・ツェッペリンでも引き続き演奏されたが、そこでもやはりダンエレクトロが使われた。ダンエレクトロを変則チューニングで演奏すること。これこそがジミー・ペイジが発見した理にかなった活用法なのである。

ダンエレクトロのオリジナルはそのブリッジ構造ゆえ、チューニングの際に弦を1本ずつ合わせることができないという弱点があった。現行品では金属製の6連サドルやバダスブリッジを搭載したモデルがあり、チューニングの問題をある程度克服することができるようになったが、ジミー・ペイジはこの問題に対してはDADGADのような変則チューニングにしたり、スライドバーで演奏したりすることでうまく回避することに成功した。さらに「ホワイト・サマー」や「カシミール」のようなオリエンタルな雰囲気の楽曲においてはちょっとしたピッチのずれがかえってそのサウンドに神秘性を与えることにもなった。

この発見はジミー・ペイジの大きな影響力と相俟って、ダンエレクトロは民族楽器的なアプローチをするもの、しなければいけないものという先入観を与え、その呪縛に多くの人がからめとられてしまったことは否めない。ダンエレクトロ自体がエレクトリック・シタールやベルズーキのように見た目が民族楽器的なエレクトリック・ギターをいくつかつくっていたということもこの呪縛をますます解きがたいものにしたのかもしれない。

ダンエレクトロのような楽器さえへヴィでラウドなサウンドの中に生かしていくジミー・ペイジの素晴らしいひらめきが、それゆえに多くの人を先入観でがんじがらめにしてしまう。ジミー・ペイジの功罪はこんなところにあったと思う。

Convertible Reissue?

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コンヴァーチブルがリイシューされたようだ。

http://www.musiciansfriend.com/guitars/danelectro-convertible-acoustic-electric-guitar

今回のリイシューで特筆すべきは、リップスティック・ピックアップに加えてピエゾが内臓されているところ。コントロールノブは3つで、トーン、ヴォリューム、そしてピックアップのミックスコントロールとなっている。画像はサンバーストでコンヴァーチブルとしては違和感があるが、おそらくはホワイトやブラックもラインナップされるだろうと思われる。

Retroverb Guitars

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TYS ToneSmith Retroverb Baritone Guitar demo


また一つダンエレクトロのコピーモデルをつくるメーカーが現れた。Retroverb Electric Guitars & Amplifiersである。今回、この映像にあるように、Uシェイプ、ドルフィンネックのバリトンギターを世に送り出したのだ。このメーカーは50年代、60年代のモダン・デザインを基調に、どこかユーモラスで、どこか郷愁を感じさせるものをつくることをコンセプトにしているようだ。アンプのデザインにもそれは体現されていて、そのおもちゃ感覚はとても楽しく、今後の展開に期待。セルマーの小さいアンプのようなものを企画しているみたいで、何が出てくるのかが楽しみだ。

本家サイトがリニューアル

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知らない間に本家ダンエレクトロのウェブサイトがリニューアルされていた。1年以上も放置されたままだったが、密かにリニューアルに向けた作業が水面下であれやこれやとなされていたわけだ。今までのサイトはテレビのテストパターンを使ったデザインだったが、今回はアメ車のテールフィンがアップになったトップページで、ダンエレクトロというよりはアメリカン・ショースターみたいな感じ。

プロダクトを見てみると、先日紹介したピエゾつきのコンヴァーチブルやら、謎だったfホールのある12弦やら、ベイビーシタールやら、昨年から市場に流通し始めているモデルが掲載されている。これらは本家のあずかり知らぬところで動いていた企画だろうと思っていたが、どうやらそういうわけでもなかったようだ。他にもホーネットシェイプのDEAD ON '67をより簡素化し、シルヴァートーンの1452みたいな感じにした'67DANOが新たに加わっていて、何気に今までとは少し変わったラインアップになっている。今年のNAMMショーはこうしたモデルのお披露目といった感じになるのだろう。

チープなギターを弾く10人

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先日「チープなギターをプレイする10人のロックスター」という記事を見つけた。なんでもランキングする世の中ではあるが、まさかこのようなテーマのランキングまであるとは世も末というか、思いもかけないことで、「だのじゃん」的には大変うれしいことだった。

これには「これらの有名ロックスターたちは何故チープなギターを演奏するのか」というテクストが添えられていて、そこには Junk Is Always Best というカート・コベインの発言が引用されたりもしているが、一部の例外を除いて、ミュージシャンがステージでもチープなギターを普通に演奏するようになったのは、やはりカート・コベインというか、オルタナ以降というのが一般的な見方なのだろうと思う。オルタナというからには、ギターだって誰もが使うギブソンやフェンダーではなく、シルヴァートーンだのケントだのエアラインだのユニヴォックスだのといった、だれも見向きもしないようなギターを使わねばならないというわけだ。

ここでチープなギターとはどういうギターのことをさしているのかというと、ギブソンのメロディーメイカーやフェンダーのスターキャスターなども含まれていることから、いわゆるビザールギターというわけではなくて、初心者向けのスチューデント・モデルや不人気のため安く手に入れられるギターということのようだが、いずれにせよ、これらのいわゆるチープなギターが有名ロックスターに愛用されたことによって、今となってはチープではなくなった(プレミアがついて高価になった)というのがオチ。

それでは選ばれた10人は誰なのかをみてみると、筆頭にあがっているのはやはりジミー・ペイジ。次いでホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト、ブラック・キーズのダン・オーバックと続く。当然、カート・コベインやアニー・クラーク、ベック・ハンセン、はたまたデヴィッド・ボウイなども選ばれていて、それはそれで妥当なところだと思うが、ジョーン・ジェットやジョニー・グリーンウッドが入っているのは意外な感じがする。むしろアート・リンゼイやジョン・スペンサーあたりが選ばれるべきではなかったか、と思ったりもするのだが、この手のランキングはそういうもので、あれこれ突っ込みを入れつつ、ああでもないこうでもないと考えるのが楽しみというものなわけで。

2015年のダンエレクトロ

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Danelectro Guitars NAMM 2015


今年のNAMM SHOWでのダンエレクトロ・ブースの模様。製品に関しては先日リニューアルされたサイトにアップロードされているもの。Silvertone1452のリイシューである'67DANOがさして気に留められるでもなく'67 HEAVENの色違いだと勘違いされているようだったのが悲しい。

Coral Firefly F2N6

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ファイアフライといえば、マルクス兄弟の映画「我が輩はカモである」でグラウチョが演じた役を思い出す。このギターとは何の関係もないことではあるが、コーラルブランドの数あるギターの中で、このモデルだけ愛称がつけられているのには何かわけがあるのではないかと、例によってあれこれ思い悩んでいるときに、昔見た映画の記憶がよみがえってきたというわけなのである。現時点ではこれ以上の展開はないのである。

Coral Fireflyはダブルカッタウェイのホロウボディ。リップスティック・ピックアップが2つ取りつけられていて、それぞれに1Vol、1Toneが割り当てられている。ネックはデタッチャブルで3点止め。通常のダンエレクトロのように直接のネジ止めではなくプレートをかましている。21フレット。

ヴィンセント・ベルのシグネチャーデザインとピックガードには記されているのであるが、ボディは日本のカワイ製であることはよく知られている。このモデルが生産されていた時期は1967年から1969年頃まで。コーラルといえばエレクトリックシタールが知られているが、それ以外のモデルもセミアコのロングホーンやらティアドロップやらヴァイオリンシェイプやら変わり種が多い。その中でいわゆる普通のセミアコみたいな風情でいるのがこのファイアフライである。

ファイアフライには6弦モデルのほかに12弦や4弦ベースもあるそうだが、ほとんど出回ってはいない。6弦にもいくつか種類があり、ビグスビー付のものやウッドブロックにフレットをつけたブリッジをボディの上に乗せただけのものもある。そのあたりの仕様が曖昧なのでまぎらわしいのが悩ましい。

このファイアフライであるが、これを愛用するギタリストがどこかにいるのだろうかと調べてみると、愛用しているかどうかはわからないが、少なくとも「お宝」と認識しているギタリストがいることがわかった。野村義男である。

The Other Side of『野村義男ギタースタジオ匠~たくみ~』
http://ameblo.jp/nomura-guitar-takumi/entry-10922564702.html

リンク先のブログの下のほうに野村義男が所有しているファイアフライの画像を見ることができる。
やはりよっちゃんは持っているんだなあ。
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